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【設定考証・リサーチャー】白土晴一さんの考え方がめっちゃカッコイイ。

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面白い人を見つけたのでメモ。

始まりはアニメ『ヨルムンガンド』を観ていたことから。
この作品は女の武器商人と護衛役の元少年兵の話なんだけど、クセの強い登場人物ばかりで飽きさせないんだなこれが。

とはいえ、武器商人っていうのは馴染みのない職業だから、難しいと感じる部分もあるわけだ。
そんな折、OPクレジットの設定考証という文字が目に止まった。


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アニメ『ヨルムンガンド』OPより

設定考証を担当しているのは、白土晴一さんという人物らしい。
しかもこの方、ブラックラグーンの設定考証も手伝っていたとか。
ブッラクラグーン、大好きなんだよなぁ……。11巻楽しみスギィ!!

話が逸れたけど、この2作品に関わっているということで、当初は軍事の専門家かな?と思ってた。

けど、そういうわけではないらしい。
ヨルムンガンド以外に白土さんが携わったアニメ作品には、純潔のマリア、DRIFTERS(ドリフターズ)、ブラック・ブレットなどがある。
クッソざっくり説明すると、

純潔のマリア I <特装限定版> [Blu-ray]
純潔のマリアはリアルな中世ヨーロッパの世界観を描いたファンタジー

DRIFTERS 第1巻〈通常版〉 [Blu-ray]
ドリフターズは世界中の偉人が異世界に流れ着き、好き勝手に動き回る群像劇。

ブラック・ブレット 1 (初回限定版BD) [Blu-ray]
ブラック・ブレッドはウィルス性の寄生生物に人類が敗北した近未来SF。

見てのとおり、ジャンルにまったく統一感がない。
しかも役職名がリサーチャーだったり、設定考証だったりとこれまたバラバラ。

白土さん、一体何者なんだ……?

情報を探ってみたところ、以下のインタビュー記事が見つかった。

『ドリフターズ』設定考証 白土晴一インタビュー 嘘と真でつくる“リアリティ”
TVアニメ『純潔のマリア』白土晴一氏インタビュー リアルな中世ヨーロッパ描写の秘密は?-前編-
「レイコの部屋」傑作選 vs.白土晴一さん(設定考証・リサーチャー)前編
(②,③はそれぞれページ下部に後編へのリンクがあります)

まず、白土さんの肩書きはいくつかあるが、近年ではリサーチャーと称してる。
これは、その作品に携わる上で必要な知識を集め、取捨選択する側面を強調してのことらしい。

白土さん自身、特定ジャンル(SF、軍事など)の専門家というよりも、知らないことを調べることが大好きなんだと言っている。

「レイコの部屋」傑作選 vs.白土晴一さん(設定考証・リサーチャー)後編でその様子がうかがえる。
この記事では、白土さんがインタビュー前にブックオフで買ったという本を紹介してる。
タイトルは『歩くことが楽しくなる飛石・敷石作法』

インタビュアーも言ってるけど、いったいなんの役に立つの……?
こういうその道の専門家しか買わないような本にも手を出すくらい、好奇心が強いってことね。

白土さんのツイッター@manetoke)も、この人の好奇心の強さがわかりやすく出てて面白い。
RTが多めだけど、ジャンルが幅広い上に専門的で見てるとこちらの好奇心を刺激してくる感じ。

くわえて、白土さんはこだわりもすごい。
ドリフターズで設定考証を担当したときには、実際の戦場での風景を知りたいと言われたものの、資料がなかった。
そこで白土さんは実際に舞台の関ヶ原まで足を運び、ビデオカメラ片手に解説しながら歩き回ったという。
(⇒①『ドリフターズ』設定考証 白土晴一インタビュー 嘘と真でつくる“リアリティ”

いくら仕事でも、そこまでする?というレベル。

ただ、白土さんのかっこいいところは、その先にある。

それは、様々なジャンルの専門知識を徹底的に調べ上げているのに、大半は実際に使われないと割り切っていること。

――調査するにあたって、やはりたくさんの資料にあったのでしょうか?

白土 
ええ。ですが膨大な量の資料を調べても、実際にアイデアとして活かされるのはごくわずかなんです。私が関わった設定考証の仕事は、9割は捨てる覚悟でやらないと結果は出せない。でも、調べたものを詰めこもうとすると、物語に対して情報量が過剰になってアンバランスになってしまう。
(②TVアニメ『純潔のマリア』白土晴一氏インタビュー リアルな中世ヨーロッパ描写の秘密は?-前編-

白土さんは、設定考証・リサーチャーという仕事はあくまでアニメの世界観を補強するためにあり、厳密さだけを追求するようなことはしない。
必要であれば、ウソをつくこともアリ、という考え方だ。

これだけ調べたのに結局使わないのかよ!とやさぐれることなく、その作品を良質なものにすることだけに注力している様が最高にクール!!ですなぁ。


という訳で、今回は設定考証・リサーチャーの白土晴一さんのお話でした。
ここでは書かなかったけど、今回参考にしたインタビュー記事では調べ物をするときにオススメの方法なんかも紹介されている。
気になった人は読んでみてね。

参考記事(再掲)
『ドリフターズ』設定考証 白土晴一インタビュー 嘘と真でつくる“リアリティ”
TVアニメ『純潔のマリア』白土晴一氏インタビュー リアルな中世ヨーロッパ描写の秘密は?-前編-
「レイコの部屋」傑作選 vs.白土晴一さん(設定考証・リサーチャー)前編